小松様は女性経営者として、広島アセアン協会をはじめとする地域活性化に貢献されてきました。その功績により、広島大学より女性活躍促進賞「メタセコイア賞」を授賞されました。経営者の視点から、地域における外国人の雇用、定住についてお聞きします。
―「メタセコイア賞」の授賞おめでとうございます
アセアン東南アジア諸国連合の10カ国は、日本と地理的に近く、若い優秀な人財も多い国々です。相互に理解し、交流が深まることを願って、私は発起人の一人となり2013年に広島アセアン協会(会長 児玉幸治)を設立しました。企業経営ではダイバーシティの理念をもとに、多様な人財が活躍できるよう努めてきました。これらを評価していただいたものと感謝しています。
―アセアン諸国と広島の連携は進んでいますか
広島の経済界にはアセアン各国との親善友好団体があり、それぞれ交流されています。私ども株式会社メンテックワールドでは、30年前にフィリピンに合弁会社をつくることを計画し、私も数十回におよぶ渡航を重ねました。七千近い島々から集まってくる若者たちの面接をしたものです。現地に会社をつくり、日本でも働く場を提供する、こうした共生の社会づくりに早くから取り組んでおります。
―外国人にとって日本で働くことの魅力は何でしょう
国によって考え方は違いますが、例えばフィリピンの方はまじめに働き、家族に仕送りをしたい、それが日本なら実現できると考える方が多いですね。治安が良く安全な日本で働きたい、これが多くの外国人にとっての共通認識ではないでしょうか。
広島では県をあげて平和の大切さを、小学校の頃から学んでいます。外国人の就労者、留学生が広島で平和への関心を持っていただけたら喜ばしいことです。
―外国人の受け入れ状況はいかがですか
少子化が進む昨今、外国人の就労者を迎えることは将来に向けて重要な課題です。現在、弊社には中国、ベトナム、ガーナ、バングラデシュ、インドネシア、フィリピン、ガボンから社員・派遣社員・アルバイトを含めて総数47名が勤務しています。
私どもが拠点をおく東広島市は学園都市であり、就労者や留学生など8700人以上の外国人が暮らす国際都市です。地域貢献の一環として、地元企業25社にご協力いただき、企業主導型の保育園「インターナショナルキッズコミュニティ」を2019年に開園しており、5~8カ国の子供たちが通っています。
―外国人の住まいのサポートに必要なことは?
入居を希望する方にわかりやすく説明し、対応できるスタッフを備え、入居した後のケアも大切ですね。弊社は外国人社員のために言葉の「見える化」を行っています。社内の表示や教育資料は日本語に加えて、英語・中国語・スペイン語などで作成しています。この発想をもとに、外国人の入居者向けにアセアンの多言語に対応した賃貸住宅があれば、きっと喜ばれることでしょう。
良和ハウスには、アセアン各国の出身者を採用し、外国人定住者を専門に扱う「国際営業チーム」があると伺っています。これは外国人とオーナーにとってコミュニケーションの良い橋渡しになり、双方の理解と満足度の向上につながると思います。
この記事の情報は、2024年2月現在のものです。